fc2ブログ

笠って凄い。

2012年07月30日 22:56

毎日毎日、暑いですね。

少し前まではけっこう涼しくて、「今年は冷夏か!?」と思いきや、
完全に読みはハズレました。

くそ暑いっす。

ギラギラと照りつける太陽が、容赦なく体力を奪っていきます。
当然、外で作業する時には帽子(キャップ)をかぶって
少しでも頭~顔に照りつける日差しを和らげています。

が、

その帽子自体もほかほかに温まっちゃって、かぶってるのも切ない。
しかも太陽が斜めから照りつける時間帯(PM4時過ぎ位)では
帽子のつばが守りきれない側面(ほっぺた)をガンガン太陽が焼いてきます。


これだから夏は・・・・!!
と、地団駄を踏んでいるとある事に気付きました。


そういえばこの時期、地域のじーちゃん・おっちゃんたちは
こぞって【笠】をかぶっている!

いつもは農協とかの帽子をかぶってるじーちゃんも、この時期は笠だ!


さてはアレ、涼しいんじゃねーのか?
ってか涼しそうだ。 きっと涼しい!

そうだそうだ!





と、言う事で買ってきました。
P7250014.jpg
うーむ、確かに涼しい。


まず、帽子と比べて日陰の面積が広い。
守備範囲360度。 太陽が傾いてもほっぺた安心。

更には頭がジリジリしない。
笠部分と頭にかぶる土台(?)に隙間があるため
日にあたっている笠の熱が伝わってこない。
しかもその隙間に風が通るから涼しい。



先人の知恵とは素晴らしいものがありまして、
現代においても笠の有効性がいかんなく証明されました。

素晴らしき日差し対策アイテムに強いて不満を言うなら、
思ったよりもお値段がしたこと。そして、ホームセンターでは何故か
笠と土台部分が別々に売られていたということ。(何故?汗)


皆さま、これはお勧めです。
この夏は笠かぶって乗り切りましょう!

微量要素散布、2012.

2012年07月28日 22:54

7月下旬、稲達はかなり立派な姿になってきました。
P7220011-001.jpg
もう茎の中にはコシヒカリの穂が出来あがっております。
8月に入ると、いよいよ稲穂のお出ましです。

月の頭にまいた肥料も、稲穂が栄養を必要とするこの時期に合わせて
徐々に肥効が出てきていると思われます。

さて、この時期石井農園では稲に微量要素を与えます。
P7220009.jpg

微量要素ってのは鉄・マンガン・ホウ素・モリブデンなどの
ミネラルのことなのですが、植物が光合成を行って栄養(炭水化物)を
作り出す工程において、とても重要な成分です。
P7220008.jpg
これもまた散布機を背負ってえんやこらと田んぼに撒いていきます。
※しんどい。

微量要素はその名の通り、その必要量は僅かですが、
欠乏すると植物の光合成を阻害してしまいます。

光合成によって作られた炭水化物が植物の強い体を作り、
美味しいお米になるわけです。なので、微量要素の欠乏を起こさない為に、
また、光合成をより活発に行って頂く為に稲に与えております。


農業をやって4年目のペーペーですが、
良い作物(品質が良い・旨い)を沢山採る(収穫量)には
凄くシンプルな話、いかに植物の光合成を活発にさせるかって
事なんだと改めて感じている次第です。

肥料を与える(窒素、リン酸、カリ、苦土、微量要素)、
土を作る(化学性、物理性、生物性、気相率)、
光・水・温度・二酸化炭素濃度などの環境調整・・・etc。

色んな作業の全てが最終的には
いかに植物に光合成をさせるかに繋がっております。

植物にとって必要な栄養を与え、出来る限り快適な環境にしてあげる。
どれだけそれが出来たかって事が収穫の結果なんだと思います。

稲刈まであと一月半を切りました。
実りの秋まであと少し!

ひばり観察2012。

2012年07月26日 22:28

ネギ畑で作業してたらいきなり足元から小鳥が飛び出してきて
びっくり! なんて経験は誰しもあることかと思います。


そうなんです、今年も発見いたしました。
P6130076.jpg
ネギの脇に生えている雑草の根本にそっと作られた・・・・


雲雀(ヒバリ)の巣を!
P6130077.jpg
毎年毎年、必ずネギ畑にヒバリが巣作りをします。

大体がネギの根本か雑草の根本に巣を作るのですが、
(多分、巣を外敵から隠す為や夏の日差しを避けるためと思われ)
一度巣を見つけてしまうと、どうにも情が沸いてしまい
そこだけ土寄せを遅らせたり雑草を抜かずに残したりしてしまいます。


そんなこんなで畑の見回りをする時はネギの生育と一緒に
ヒバリ達の様子を観察する事が日課となります。

巣を発見してから数日後、卵が無事に孵り、四匹のヒナが誕生。
P6220134.jpg


デジカメで写真を撮ろうとすると、「ピッ」というピント調整の音に反応して
一斉に「餌よこせ!」と、口を空けてきた。
P6250017.jpg
親鳥の声と間違えたのかな?


数日して見に行くと、ヒナ達は大きく成長しておりました。
P6280028.jpg
体も大きくなって巣に入りきらなくなったのか、
巣から出てネギの日陰で身を寄せ合っています。

ヒバリのヒナは孵化から数えて9~10日で巣立つらしく、
その成長のスピードは凄まじいです。

その後、ヒナ達は親鳥と一緒にネギ畑を歩きまわって
徐々に行動範囲を広げ、無事に巣立っていきました。


やれやれ、これでやっと遠慮なく農作業が出来ますぜ。
嬉しい様な、さみしい様な。


・・・と、思ったのもつかの間。
別のネギ畑でまたもヒバリの巣(中には四つの卵入り)を発見。

もうしばらく、ヒバリを見守る日々が続きそうです。



昭和村へ視察に行ってきました。 その③

2012年07月24日 05:44

昭和村農業視察ツアー 後編。

最後に視察に訪問させて頂いたのは「農園星ノ環」さん。

昭和村で小松菜・ほうれん草・レタスなどを栽培している農業法人さんです。
※冬季は前橋の方でブロッコリーも栽培されております。

こちらでも栽培品目・面積などの農園概要や会社の歴史を聞かせて頂き、
圃場や作業場の見学をさせていただきました。

そしてその後は市内へ移動して居酒屋さんで一緒に夕食を頂きました。
P7030040.jpg
写真は農園星ノ環の代表をされている星野さん。
凄く気さくな方で、とても親切にして頂きました。(ありがとうございました!)

星野さんとは食事を共にしながら、農業について色んな話をしました。

・農業経営は経理をしっかり見れるかどうかが大事。
・儲ける事(利益を出す)意外にも、「何のために農業をしてるのか?」って
 理由を自分の中にしっかり持つ事が大切。
・新しいことにチャレンジし続ける。そして実績を出す事によって、
 良いやり方、考え方が地域に広がっていく。
・雇用を生む使命。  ・・・etc。

まだまだ未熟な私は考えさせられる事が沢山ありました。
もっと強い意志をもって農業をしていかないと!・・・って改めて感じました。


星野さんや昭和村の方達と話していると皆活き活きしていて、
農業って仕事は本当に素敵な仕事なんだって感じる事が出来ました。

また、農業が衰退しているとか、後継者がいないとか、儲からないとか、
耕作放棄地が増えているとか、農業に対するネガティブな雰囲気は全然なかったです。

個々の農業者が活き活きと農業に取り組み、地域全体の農業が盛り上がっている。

私の地域もそうありたいし、その為には地域の農業に良い影響を
与えていけるように、自分が出来る事をもっと頑張らねば。



昭和村の視察ツアーはとてつもなく濃厚な一日で、
物凄く沢山の刺激を受ける事が出来ました。

昭和村の皆様、そして研修を企画してくれた斎藤さん、
本当にありがとうございました!

昭和村へ視察に行ってきました。 その②

2012年07月20日 22:43

昭和村農業視察ツアー、中編。

昭和村インターを降りてひとしきり周辺をドライブしながら
畑や作物を見学した後、最初の視察先へ訪問しました。

グリンリーフ株式会社・赤城高原農場。
P7030030.jpg
こちらは以前に講演を聞かせて頂いた澤浦社長の会社です。
澤浦さんの本は凄く参考になる事が多く、今でも時折読み返しております。

グリンリーフでは有機野菜の栽培、そして
こんにゃくや漬物などの加工品の製造を行っています。

今回の視察では会社概要や農場の取り組み等をお聞かせ頂いた後、
加工場、作業場、保管施設、圃場などを見学させて頂きました。

また、グリンリーフにはグループ企業の「野菜くらぶ」という法人があり、
こちらでは沢山の農家や法人が皆で協力してスーパーや生協などへの
契約栽培に取り組んでいます。



そしてその野菜くらぶの取り組みへ参加されている農家(農業法人)さんの
農場も紹介して頂きました。

紹介して頂いたのは、主にレタスを中心に栽培されている竹之内さん。
そして、主にほうれん草や小松菜などを中心に栽培している宮田さん。
P7030016.jpg
写真は竹之内さんとレタス畑。

お二人は共に法人化されていて従業員や研修生の方々と
農業に取り組んでいるのですが、どちらの農場もとにかく栽培面積が凄いのです。

レタス11ha、非結球レタス7ha、小松菜10ha、加工キャベツ6haなど・・・・。
経営面積を聞いていると、どれか一つの品目だけでも物凄い数字です。

一体これだけの面積をどうやってこなすのですか!?
と驚きましたが、巨大なトラクター、連携の取れたスタッフ、
的確な育苗スケジュール、そして野菜くらぶなどの販売体制により
円滑に農場が回っている事が分かりました。

大産地の凄さは話には聞いていたけれど、やはり実際に見に来て、
直に話を聞く事は自分の考え方をひっくり返す程に刺激のある体験でした。

百聞は一見に如かずです。

ちなみに、私達が見学に行った時期(7月上旬)はレタスなど
高原野菜の収穫繁忙期でございました。
※朝の収穫は三時、四時から行われます。

そんな忙しい時期にも関わらず、見学先の皆様は
本当に丁寧に案内をしてくれて感激でした。

本当にありがとうございました!



後編へつづく。


昭和村へ視察に行ってきました。 前編

2012年07月16日 22:29

先日のお話ですが、常日頃お世話になっている先輩農家の斎藤さんと、
農業視察研修へ行って参りました。 その行き先はと言いますと・・・。

こんにゃくと高原野菜の大産地、群馬県赤城村です。
P7030007.jpg
レタス畑の広さがハンパ無い。
※昭和村の詳しい情報は公式ホームページをどうぞ。

新潟(厳密には燕三条)からは高速を使って一時間半で到着。
意外と近くて親近感!ですが、見える景色は新潟の田園風景と全く違って
見渡す限りの畑・畑・畑です。


そしてなんといっても土が違う。
P7030014.jpg
昭和村は地域の大部分が火山灰土との事ですが、
土には本当に沢山の軽石が交じり、その隙間を細かい粒子の
黒い土が埋めている感じ。 そのぶん水はけは凄く良さそう。


昭和村は戦後に開拓された村で、入植当時の人々は
物凄い苦労をしてこの村・畑を作り上げたんだそうです。

開拓一世は「養蚕」、二世になって「こんにゃく」、
そして三世の現在は高原野菜と、時代に合わせて産地の形も変えてきました。

昭和村では凄い農業法人、そして素敵な農業経営者さん達に会う事が出来ました。
そのお話は、今後中編・後編にてお届けしていきたいと思います。




コシヒカリの穂肥2012。

2012年07月14日 22:44

稲が青々と茂ってきた7月上旬。
P7040051.jpg
まだコシヒカリの幼穂形成期前ではありますが、
石井農園ではこのころ直売用のコシヒカリへの穂肥を与えます。


毎年使っている有機質肥料、原料は魚の粉や糖蜜。
P7040046.jpg
「おつまみ」みたいな匂いがします。
※実際にその辺に置いておくと野良猫やネズミに食べられてしまうので
 保管に注意しないといけない肥料です。汗 


穂肥とはその名の通り、稲が穂を作る為の栄養(肥料)を与える作業なのですが、
与えるタイミングが収獲量や品質に大きく影響します。

このあたりの地域だと、今年はコシヒカリの穂が出るのが
8月4日頃と予測されているので、肥料効果の出やすい化成肥料なら
7月中旬~下旬に肥料を与えるのがベストとされています。

ですが、有機質肥料の場合は植物に吸収される前に分解の
工程が必要なため、効果が出るまでに少し時間がかかります。

なので、効果が出てほしい時期を逆算して7上旬月に与える訳です。


田んぼの肥料まきにはこの道具を使います。
P7040049.jpg
「動力散布機」です。

タンク入れた肥料を、エンジンが勢いよく風と一緒に吹き出します。
ちなみに、肥料が20キロ、機体が10キロほどあるので合計30キロです。

これを背負ってえっほえっほと田んぼの中を
肥料をまきながら歩いていきます。
P7040050.jpg
機械化が進んだ稲作では、穂肥はかなりしんどい作業に
分類されると思います。

直売コシヒカリの穂肥えが終わるとスグに、こしいぶき、こがねもち、
慣行栽培のコシヒカリ~と、品種・作型に合わせて肥料をまいていきます。

黄金色の秋を目指して、肥料まきを頑張ります。

ネギのその後。

2012年07月12日 22:15

お久しぶりのブログですいません。汗

最近はお米の穂肥をまいたり、農業視察に行ったり、
直売所用に取り組んだ色んな野菜の管理に振り回されたりと
色んな出来事があったので、ブログに書きたい気持ちは山々なれど
まぶたが重すぎて、うっかり更新が滞っておりました。


今日の記事は、前回の「雨が来るぞ!」っていうネギ畑の続きのお話。

あれから新潟は、昨年の様な大雨では無いのですが、
シトシトと梅雨らしい雨が降り続きました。
P7120003.jpg
今年は浅植や早期の畝割、排水路の徹底など昨年以上に
湿害を警戒して対応してきました。

が、

それでもネギの葉先にみられる湿害の兆候。
P7120005.jpg
ネギの根が水にあたる事で機能を失い、その影響が葉先に表れます。

昨年に比べればかなり軽微な湿害ですが、頑張って改善に取り組んだつもりでも
防ぎきれなかったって結果には正直かなりショックでした。

やはり水はけの悪い転作田でのネギ栽培には限界があるのか・・・。

しかし一方で、まったく湿害の兆候が見られない畑もあります。
P7120007.jpg
これは一番最初に定植した畑。

この畑も去年はひどい湿害を経験しました。
が、今年は今の所順調に生育しています。

考えられる理由としては・・・
早期に定植した事で、梅雨が始まる前に畝間をより深く
掘り下げる事が出来ていたのではないか。(水はけの改善)

また、早期に成育量を確保した事で盛り上げた土にも根圏が広がり、
(根が高い所まで広がった)、それによって雨の中でも根の呼吸量を
維持できたのでは。

などなど、1人で悶々と畑の明暗を分けた理由を推測しています。
上手く行った畑の理由をしっかりと理解して、来年こそは湿害に
負けないネギ作りをものにしたいです。



湿害の出た所、でなかった所も、雨上がりには病気の予防を行いました。
P7090001.jpg
根が弱れば病気にも弱くなりますし、湿度・気温の高いこの時期は
ベト病、黒班病、軟ぷ病など、様々な病気がはびこります。

これからまだまだ、大雨に警戒が必要な時期が続きます。
気を抜かずに、畑を見ていきたいと思います。


ネギの畝割作業。

2012年07月06日 20:27

ここ最近、ネギ畑の作業をせっせと勤しんでおりました。
追肥、防除(殺菌・殺虫処理)、草取り、土寄せです。

特に土寄せに関しては、ネギに土を寄せつつ畝間をガッツリと掘り下げる
「畝割」を行っておりました。
P6290039.jpg
畝の深さをネギの根本より深く掘り下げる事がポイント。
畝割をする事でネギの根を空気に触れやすくし、湿害リスクを軽減する事が出来ます。

今年の新潟は空梅雨で殆ど雨が降りませんでした。
おかげでネギの生育も遅れ気味です。

しかし、昨日からいっきに雲が広がり始め、本格的に梅雨らしい天気となってきました。
恵みの雨だ!・・・・と、言いたい所ですが、降り始めると今度は止まらないから怖い。

今このときも結構いい雨が降っておりますが、
天気予報では明日も大雨確実。 


いよいよ来やがったか。って感じです。
毎年この位の時期に必ず大雨が降って畑が潅水します。
(雨が降り過ぎると排水路の許容量を超えて、水が逆流します。汗)

酸素要求量の高いネギにとって大雨は大敵でして、
特に私の様に水はけの悪い転作田でネギを栽培する者にとっては
もっとも神経を使う問題です。

去年、甚大な湿害を経験したことにより、今年は浅植の徹底、
排水路と植え溝・畝間の直結、畝割もしっかり行いました。

あとは人事を尽くして天命を待つ。
今年は大雨の時期をなんとか無事に乗り越えたいと思います・・・!



※ちなみに、ネギの畝割を行う際にネギがまだ小さいと作業が思うように出来ません。

土をガッツリ掘り上げたいけど、土を沢山掘ればその分土がネギに掛かります。
まだネギが小さいと、その土に埋まってしまい生育が阻害されてしまうのです。

そこで、この様に管理機の周囲を肥料袋で覆ったところ、
見事にネギの根本まで土を飛ばさずに(畝の肩だけ盛り上げる)畝割する事に成功。
P6290041.jpg
畝割・土寄せが上手に出来たのは、新しい管理機の性能も大きいと思います。
マメトラさんに感謝・・・!


=================================
ブログランキングに参加しております。
応援ボタンをぽちっと押して頂けるとブログの励みになります。
人気ブログランキングへ  ビジネスブログランキング
何卒、宜しくお願い致します。

新潟やさいじく、第三回。

2012年07月04日 22:14

先月、3回目の開催となる「新潟やさいじく」に参加してきました。

これは新潟で活躍する野菜ソムリエさん達が企画する、
新潟の農業と野菜を学ぶ為の勉強会です。
※前回参加した第一回のやさいじくの模様はこちら。


イベントの内容は3部で構成されており、
一時間目は野菜ソムリエ木村さんによる「野菜の講座」。
今回のテーマは無農薬野菜、有機野菜について。

二時間目は「ゲスト農家さんを招いてトーク」。
P6210124.jpg
なんと今回のゲストは新潟を代表するトマト農家、曽我農園の曽我さんでした!

就農する迄、そして就農してから、ブログや本の出版など、
曽我さんの今に至る経緯や、トマト作りへの情熱などをお話してくれました。

やっぱり、曽我さんは本当にかっこいい農家さんです・・・!



三時間目は、グループディスカッション。
今回は農業・農作物の価値を伝える方法としての「体験」をテーマに議論しました。

このイベントには野菜ソムリや農家など、農業・野菜に関連した職業の方だけでなく、
農業に興味を持つ様々な方達が参加していて、議論の内容も
色んな意見やアイデアが飛び交っていました。


そしてイベントではゲストで登場してくれた曽我さんのトマトの試食もありました。
P6210125.jpg
曽我農園を代表する農作物である「金筋トマト」。

既に販売シーズンを終了していたのですが、最後のトマトを
このイベントの為に用意してくれていたとの事です。

シーズン外の為に、もっとも美味しい時期を過ぎている事でしたが、
それでも曽我さんのトマトは格段に美味しかったです・・・!


今回のやさいじくも、とても勉強になる内容でした。

野菜じくは毎月開催されています。
新潟の農業・野菜に興味のある方、お勧めのイベントですよ。

=================================
ブログランキングに参加しております。
応援ボタンをぽちっと押して頂けるとブログの励みになります。
人気ブログランキングへ  ビジネスブログランキング
何卒、宜しくお願い致します。


地下水位の測定。

2012年07月02日 22:27

先日のお話ですが、お世話になっている普及員さん(農業指導してくれる県職員)から
こんな道具を貸して頂きました。
P6130066.jpg
ドリル(的なもの)とパイプであります。

これはなにかと言いますと、畑の地下水位を把握する為の道具であります。

地下水位の高さってのは、野菜を育てる上で非常に重要です。
特に私の用に水田転作した畑で野菜を育てる者にとっては超重要。

※地下水位が高いって事は空気のある層が少ないって事になります。
  なので地下水位が高いほど、植物は深く根を張る事が出来ないのです。
  作物によって地下水位の上限は変わりますが、地下水位が高いほど
  栽培できる作物は限定されます。


して、どの様にして地下水位を測るかと言いますと、
まずは先述のドリルを使って畑の地面に穴を掘っていきます。
P6130068.jpg
ぐりぐり、ぐりぐりと1メートル位まで掘って、
ねっちょりした粘土を抜き取ります。 (流石田んぼ。汗)


次に、この穴の沢山開いた塩ビパイプを先程掘った地面にぶっさすのです。
P6130067.jpg
そうすると土壌側面から染みだしてきた水がパイプの中に溜まり、
地上部から地下水位の深さが把握できるって訳であります。
要は井戸みたいなものかな?


完成した姿がこちら。
P6130069.jpg
雨やゴミがパイプに入らないように、半分に切ったペットボトルなどを
フタ代わりにかぶせておくと尚グッドです。


地下水位が40センチ(地上から深さ40センチの所に水があるって事)までであれば、
ゴボウなどの根を深く伸ばす根菜類を除き、大概の野菜は栽培出来ると言います。

全てのネギ畑に穴を掘ってパイプをぶっさした所、
おおむねどこの畑も地下水位が50センチ程でありました。

良かった良かった。



と、思いきや、去年湿害を盛大にかましてくれた、
石井農園の中でもっとも水はけの悪い転作田の地下水位を調べた所・・・・
なんと20センチ。

思わず目を疑う光景。
穴を除けばスグそこに水のきらめきが。

畑の中で最も水位の高そうな所(用水路の近く)で測ってはいるものの、
この地下水位の高さは問題。ってか、野菜作れない位の数字。汗


そら湿害も出るわ!と焦りましたが、とりあえずもうネギを植えてしまったし、
今の所生育も順調だし、去年の失敗から今年は地表面の排水対策を重点的に
行ってきた事もあるので、その後も開き直って観察を続けました。


すると、ある事実が見えてきました。

畑を回る時にはいつもパイプを覗いて地下水位を観察してたのですが、
田んぼの水を止める「中干し」期間に入った途端、急激に地下水位が下がりました。
P6220131.jpg
写真は水の干上がった用水路。奥に見えるのが私のネギ畑。
※田んぼに入水している期間は、ネギ畑の脇をなみなみと水が流れております。

地下水位が20センチもあった畑が、地下水位60センチに。
その他の畑も60~70センチ位まで水位が下がりました。
ここまで下がるとは!

更にその後、再び用水路に水が流れだし、
間断潅水(田んぼに水を入れたり乾かしたり)のシーズンへと突入しまして
また地下水位が上昇してきました。 

でも、今の段階ではまだ50センチ位。
この後、飽水管理(田んぼの水を乾かさないように入れ続ける)の時期に突入すると
更にまた水位が上がるのか? 

ってことは、
それまでにしっかり畝割(ネギの通路部を深く掘り下げて根っこの酸素供給を助ける)を
しといた方がよさそうだな。

今後も地下水位の変化をしっかり観察したいと思います。


田んぼに囲まれた転作田で野菜を作っている訳ですから、
当然用水路や周辺の田んぼからの浸透水が地下水位を上げていると考えておりましたが
場所によっての地下水の高さや、用水環境によってここまで地下水位が
めまぐるしく変わっているとは驚きでした。


転作田で野菜生産を行う者として、今後は地域の用水路の入水期間や
圃場条件(用水・排水路との接し方)をもっと考えながら、
地下水位の変化も意識して農業をしていきたいと思います。


やっぱり農業ってのは、植物の地上部を見ること以上に
土の中を観察する事が大事ですね。


※普及員さん、ドリルを貸してくれて本当にありがとうございました!


=================================
ブログランキングに参加しております。
応援ボタンをぽちっと押して頂けるとブログの励みになります。
人気ブログランキングへ  ビジネスブログランキング
何卒、宜しくお願い致します。