ブロッコリーの事考え過ぎて、脳みそがブロッコリーになりそうです。 今日は栽培体型に関するお話しなので、ちょっとつまらないかも知れません。 が! 読んで頂けると「ブロッコリーうんちく」が増えます。 クリックしてくれるとランキング上がります。何卒ー! →
ブログランキング現在の順位は?ブロッコリーはご存知の通り、日本中で沢山食べられ、
とってもポピュラーな野菜です。栽培面積も全国的に増加傾向です。
※その結果、去年は天候不順による集中出荷も重なって
秋に大暴落が起きましたが。汗
新潟の春ブロッコリーは主に5月~6月上旬に収穫されるのですが、
この時期は関東から長野~東北に収獲シーズンがリレーしていく端境期に当たる為、
例年、比較的高値で取引されています。 唯一のライバルは福島産。
そのため、新潟ではJA等がこの春作ブロッコリーの強化を進めています。
かくゆう私も、
昨年末からこの春ブロッコリーについて情報収集を行ってきました。

今年、試験的に10アールだけ栽培してみようと目論んでおりまして。
書籍やインターネットなどは勿論、農業大学校、普及所、農協、
農資材会社、先輩農家の皆さまなど、沢山の方からアドバイスを頂きました。
毎度毎度、本当にありがとうございます。感謝です。
そして現在、私、限りなくパニクっております!
と・・・・云うのはですね、秋作のブロッコリーに比べて
春作のブロッコリーは
「温度」の問題と、
「コストバランス」の
取り方が非常に問われてくるからです。
大前提として、先で述べた様に高値を狙う為には産地と産地の
合間を縫った時期(5月~6月上旬)での出荷が求められます。
その為、理想の出荷時期から逆算して
種まき等の栽培スケジュールを立てて行くのですが、
ここで温度の問題が出てきます。
ブロッコリーという野菜はですね、苗のウチに寒さ(
10度以下)に当たると
「ボトニング(早期抽台)」っていう現象を起こします。
※気温だけでなく栄養状態にも影響を受けるらしいですが。
これは寒さに当たることで、
ブロッコリーが「やべっ!環境が厳しい!こりゃー子孫残さねばー」って、
まだ葉っぱも少ない未熟モノにも関わらず、花蕾(あのモサモサの部分です)
を作り始めてしまうのです。
しかし、いかんせんまだ株が未熟なので満足な花蕾に育たず、
野球ボール程度の成長で終わってしまい、「売りものにならーーん!涙」
という悲劇が起きるのです。
理想の出荷時期に合わせるためには、
気温の低い時期から苗作りをせねばなりません。
その為に農家はブロッコリーを寒さに当てない様に育てる必要がでます。
ここで春ブロッコリーの
コストバランス問題が出てきます。
【コスト①】
まず、2月中下旬から3月上旬にかけて種を撒くのですが、
外はガクブル(ガクガクブルブル)な気温状態なので
電熱線を地面に敷き詰めたり、ボイラーで暖房を利かせた温かい空間で
苗を育てる必要があります。
育苗期間はおよそ1か月! その間温め続ける! 親鳥の様に!
暖房機材への初期投資と光熱費が掛かります。
温室育ちぃー!!
【コスト②】
秋のブロッコリーはセルトレイ(小さな凹みが沢山空いた容器)にて苗を作ります。
育苗箱(30㎝×60㎝)1枚あたり、小さな苗を128本作れます。
がしかし!
春のブロッコリーの場合外の環境が厳しい為、
なるべくハウス内で苗を大きく、長期間育ててから畑に出します。
7.5㎝ポット~9㎝ポットでの育苗が理想と言われています。
すると育苗箱あたり21株(9㎝ポット)しか苗を作れない事になり、
大量の育苗培土と育苗面積(温める面積)が必要になります。
※10アール当たりブロッコリーは4000~3500株程必要(予備苗含む)です。
金かかるぅ―! 手間かかるぅー!
【コスト③】
そして無事に苗が出来上がり、畑に定植するのは3月下旬~4月上旬。
がしかし!
お外はまだまだ冷え込みます。最低気温が10度を上回ってくる
4月下旬までは、ボトニングが起きる危険が一杯です。
寒すぎると生育が遅れる危険もあります。
そこで、畑にはマルチ(畝にビニールを張ること)を敷いて土を温めたり、
ブロッコリーを囲むようにビニールトンネルを作ったり
薄い布を掛けて寒さから守ってやる必要があります。
云わずもがな! それらの資材費と労力が掛かります。
するとですね・・・・・
最終的に販売額から経費を差し引くと「おーい」って事になる
可能性がある訳ですよ。
当然、最も栽培リスクを抑えるためには
①~③のコストに恐れることなく投資をし、
良いものを栽培する必要があります。
その為、通常の栽培指針ではそのように指導されます。
が、しかーーーーーーーーーーし!
ここからが現場農家のお話です。
「育苗はポットでしっかりやるけど、畑ではマルチだけ」
「育苗は連結ポットで程々に作り、畑ではマルチとベタがけ」(トンネルより資材が安く済む)
「育苗はセルトレイで沢山作り、畑ではマルチ・トンネルで丁寧に」
「育苗はセルトレイ、畑ではマルチとベタがけ」
など栽培方法は様々。もっとも極め付けなのは、
「育苗はセルトレイ(ハウス内トンネルだけで加温無し)、畑もそのまんま。秋と同じ栽培。」
これだと掛かるコストは一番安く、育苗・定植等の労力も少なく済むので
規模拡大もし易いです。しかし当然、最もボトニングや成長遅延のリスクは大きくなります。
で、「実際に栽培してみてどうなんでしょうか?」
と農家さん達に質問すると、答えは「なるほど」なモノでした。
最後の栽培方法を行った農家さんのお話しだと、
去年のボトニングの発生率は全体の約2~3割だったそうです。
栽培指針通りに丁寧な管理をし、理想の収量を得たとして
春ブロッコリーの売上は10アール当たり約20~30万円前後といった所です。
※相場によって多少変動するのであしからず。
すると、この2~3割の減収とコスト削減分を相殺すれば、
「作業に掛かる労力分、得をする」・・・といったモノでした。
なるほどですねー!
勿論、気候も年によって違うので、強気な栽培計画を行った場合
霜や寒波の影響次第では【5割の株がダメになった!】【全滅した!】
なんてリスクも十分あります。
なので基本的にはお勧めできる栽培法ではありませんが、
熟練農家の積み上げた長年の経験(栽培技術・気候予測)と
リスクコントロールの上で絶妙に成り立つものなんだと思います。
ペーペー農家の私には、栽培におけるリスクとコストのバランス感覚は
まだまだ経験不足の領域です。
なので私は・・・・・!!!
セルトレイ、連結ポット、育苗ポットを用いて

何パターンかの大きさのブロッコリー苗を育て・・・・・
【マルチ+トンネル】 【マルチ+ベタがけ】 【マルチのみ】 【なにもなし!】の、

それぞれの保温管理をして実際にブロッコリーの生育を比べてみたいと思います!
話は沢山聞かせて頂きました。 後は実際に自分でやってみるのが一番。
その経験を元に、次年度以降の拡大面積、栽培方針を決めたいと思います。
栽培方針に悩んだら、全部やってみれば良い!
最初は試験栽培なんだから、利益より経験・挑戦に価値がある!
基本的に農業は一年に一回しかチャンスが無いので、
1シーズンを大事に、色々試してしっかりデータを取りたいと思います。
(年に何回転か出来る作物でも春作は一回しかできないのですから!)
ブロッコリーについては、今後も勉強して
随時情報をアップしていきたいと思います。頑張ります!
※ちなみに、栽培品種もピクセルと、もう1品種栽培する事にしました。
このお話しはまた追って! (むふふ!な品種です。)
※ちなみに、新潟では秋ブロッコリーの栽培も盛んです。
その秋ブロッコリーの場合は9月が端境期と言われます。 が、
収獲期が稲刈と競合するためなかなか農家が取り組めないんだそうです。
今後、体制が組めれば是非狙いたい作型です。
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